劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」感想【ネタバレあり】

  • 投稿カテゴリー:アニメ

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2023年4月14日(金)公開、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』。
今年も初日に鑑賞してきました。

本当なら働いているはずの日に有休使って映画観に行くの、公休日とは違った快感があって癖になりますね……。

あらすじ

東京・八丈島近海に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設『パシフィック・ブイ』。本格稼働に向けて、ヨーロッパの警察組織・ユーロポールが管轄するネットワークと接続するため、世界各国のエンジニアが集結。そこでは顔認証システムを応用した、とある『新技術』のテストも進められていた―。
一方、園子の招待で八丈島にホエールウォッチングに来ていたコナン達少年探偵団。するとコナンのもとへ沖矢昴(赤井秀一)から、ユーロポールの職員がドイツでジンに殺害された、という一本の電話が。不穏に思ったコナンは、『パシフィック・ブイ』の警備に向かっていた黒田兵衛ら警視庁関係者が乗る警備艇に忍び込み、施設内に潜入。すると、システム稼働に向け着々と準備が進められている施設内で、ひとりの女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生…!さらに彼女が持っていた、ある情報を記すUSBが組織の手に渡ってしまう…。
海中で不気味に唸るスクリュー音。そして八丈島に宿泊していた灰原のもとにも、黒い影が忍び寄り…
引用元: 劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』公式サイト

今回も、予告動画しか前情報を仕入れずに鑑賞しました。

  • 黒ずくめの奴らが出てきて、哀ちゃんが大ピンチになるらしい。
  • 船に乗ってて海に落ちるっぽい。

鑑賞前の知識はこんなところです。

最推し・哀ちゃんのメイン回…… !! 昨年からずっと楽しみにしてました !!

以下、鑑賞後の感想です。
ネタバレにご注意ください。

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感想【ネタバレ注意 !! 】

正直、『コナン』の映画でこんなに泣くことになるとは思いませんでした……。

「灰原哀」が丁寧に掘り下げられている

哀ちゃんのメイン回というだけあって、哀ちゃんを中心にした物語でした。ファンにとっては嬉しい限り。

志保と直美の出会いは、以前「東洋系の顔のせいで嫌がらせを受けていた」とフサエ登場回で話していたエピソードの掘り下げでした。
あんなに可愛い女の子に意地悪するなんて、目玉腐ってるのか ??

その出来事があって、人種や世代間の差別をなくしたいと直美が考えて取り組んできたというのは上手い繋げ方だな、と思いました。

何より、「宮野志保」を覚えていて、大切に想ってくれている人がいるということがわかって、とても嬉しかったです。匂わせ程度でもいいので、原作にも登場しないかな……。

直美がお父さんを撃たれて泣いているシーンで、お姉ちゃんを思い出して涙する哀ちゃん……。切なくなりました。同じく、父親の最期を思い出しているキールも……。

「子供の言葉で人生が変わることがある」

これは、歩美ちゃんの言葉を思い浮かべての発言ですよね。

哀ちゃんが連れ去られた後、海岸で泣き崩れる博士がとてもつらかったです。
めずらしく、動揺を露わにしているコナンも……。
それだけ哀ちゃんを大切に想っているのだということが、痛いほど伝わってきました。

窓から飛び出して助けに向かう蘭。
「意外と優しいところあるじゃん。」の園子。
この2人も、これまで灰原哀として培ってきた関係性が表されたシーンだったと思います。

エンディング、博士宅のテーブルに置かれた置物に、イルカがあしらわれているのも。

過去作や原作のオマージュが見られて楽しい

水中での人工呼吸は『14番目の標的(ターゲット)』のオマージュでしょうか。

花火ボールで潜水艦のシルエットを浮かび上がらせて赤井に狙撃してもらうのも、『純黒の悪夢(ナイトメア)』のオマージュでしょう。

他にも、原作を想起させるシーンがちらほら見られました。
ずっと『コナン』を追いかけているファンにとっては嬉しいサービスだったと思います。

黒ずくめの奴らとの戦い、ハラハラドキドキ

黒ずくめ関係は、赤井にジョディたち、キール、安室、黒田管理官、そしてラム。
関わっている人たち全員大集合 !! な、劇場版ならではの豪華さでした。

シェリーが組織を抜け出すところから、ピスコの事件、ベルツリー急行での出来事にも触れられていて、これまでの戦いの総集編のような趣きも感じられました。
キュラソーとアイリッシュ、劇場版オリジナルのキャラの名前の出てきました。

老若認証システムの紹介があったときから
「これで幼児化バレるやつじゃん……」
とヒヤヒヤでしたよ……。

案の定、ウォッカとピンガに連れ去られて、潜水艦の一室に監禁されて、過去一番の危機にドキドキしっぱなしでした。
あの場にキールがいなかったら恐怖で吐いてた……。

予告で流れていた、ジンのねっとりしたセリフ。
「会いたかったぜぇ、シェリー…」
これは完全に夢オチで、ちょっと安心しました。ピスコの事件でジンに追い詰められたのが、よほどトラウマだったんでしょうね。
ジン、なかなかシェリーに会えないねぇ。

ジンといえば、
「なぁにが老若認証だ !! クソシステムじゃねぇか !! 」
のセリフにちょっと笑ってしまいました。

黒の組織、原作序盤のミステリアスな感じは、どんどん薄れているなぁと思います。
ラムの正体が判明したり、どんどん深いところに迫ってきているから、というのもあるのでしょうけど。
登場するたび、意外と仲良くやってるんだぁ……と思ったりしています。

キールに艦内の設備を教えてあげるウォッカ、ジンのアニキより余程アニキしてますね。

今作オリジナルのピンガは、正直いらなかったな〜と思いました。
原作キャラに新一=コナンの確信を持たせたりジンに始末させるわけにはいかないでしょうから、オリジナルキャラが必要だったのはわかります。
今までに登場した劇場版オリジナルの黒ずくめの奴らは、敵ながらも魅力のあるキャラだったのに、なんでピンガはあんな小物感丸出しにしちゃったのでしょうか……。

ピンガ当て推理も簡単すぎて、事件が起こる前から気付いてしまうレベル。後半の推理パートは本当にただのおまけという感じでした。

あと、地味〜に気になったこと。

コードネームが与えられているのは組織の中の一部だということも、末端の構成員がいるということも、すでに作中で語られているのですが……。
今回、潜水艦の中に、いかにもモブという感じの作業員みたいな人がいて、一気に一般企業っぽさが増したというか……。

あの人たちがどういう経緯で組織に就職()したのか気になるところ。

一方、あれだけ大掛かりな船を用意する技術力があったり、動かす人員がいるとわかって、謎が深まった感じもあります。

いずれ、ジンたちがどういった経緯で今の組織に属して、何を目的にしているのかも明らかになるのでしょうか。

コナンと哀ちゃんの関係性が苦しい

コナンと哀ちゃんの関係性がとても好きです。

お守りに眼鏡を交換するシーン。

心の中で「新一くん」呼び。

そして、海の中のシーン。

海中から2人でゆっくり浮上するところ、哀ちゃんのモノローグに号泣でした。マスクの中、ぐっちょぐちょ !!
哀ちゃん、すーぐいなくなろうとするんだから……。

基本的に「相棒」な2人が好きですし、作品としてもそういう立ち位置に落ち着いていますが、
登場したばかりの頃の、コナン(新一)のこと好きなのでは…… ?? とも思える哀ちゃんのよくわからない感情も、実は結構好きでした。

水中での人工呼吸も、『14番目の標的』のときは正統派ラブシーンとしてときめいただけでしたが、今回のは、愛情や憧憬、諦め、哀しみと、いろいろな感情がごちゃ混ぜになっているようで、見ていてとても苦しかったです。

以前、光彦から2人の関係を聞かれたとき、哀ちゃんは「そんなロマンチックな関係じゃない」と話していました。
新一に対して恋愛感情があるのかどうかはわかりません。
けれど、哀ちゃんにとっては、自分が幼児化したとき唯一頼れる存在だったのが工藤新一で、身近で唯一「自分と同じ境遇の人」「同じ秘密を抱える人」、そして「お姉ちゃんの最期を見届けた人」として、ただの協力関係以上の感情があるのは間違いないと思います。

私は、そんな2人の関係性が大好き。

あのシーンがなければ過去最高傑作だった

コナンと哀ちゃんの関係性については文句なしのストーリーだったのですが……。

人工呼吸を「キス」と意識したり、救出後のシーン、蘭にキスして「唇を返した」と考えている哀ちゃんは、正直私の中では解釈違いなんですよ……公式相手に何言ってんだって話ですけどね。
そこがなければ、私史上、歴代No.1 コナン作品だったのに。あのシーンのせいで、それまでの全ての丁寧な描写がぶち壊された !! くらいに感じました。本当にいらないシーンだった。

あと、細かいところに突っ込むと、哀ちゃん「お酒には詳しくない」って以前言っていましたよね。
「ピンガ」と聞いただけで「ブラジル原産の蒸留酒ね」とすぐわかるのは、ちょっと哀ちゃんっぽくない ?? と思いました。
(あの後お酒に興味を持って詳しくなったんだな、と自分に言い聞かせる。)

阿笠博士、大活躍

いつも大体子供たちの引率か、コナンのアッシーくんにされている博士。
今作では大活躍していました。

車で追いかけるシーン、すごくカッコよかったです。ウォッカに顔を覚えられないかヒヤヒヤしましたけど……。

よく考えたら普段コナンが使っているグッズもすごいんですけど、今回の発明品は特にすごくありませんか ??

有名な発明家になっていてもおかしくないような発明品もたくさんあるのに、何で「ガラクタばかり作っている」みたいな評価になるんだろう…… ??
と、今作の水中スクーターを見て少しモヤッとしたので、船の人(お名前失念…)が博士のことをとても認めてくれていて、自分のことのように嬉しくなりました。

おまけのクイズも、いつもは呆れてしまうようなダジャレなのに、今回はめずらしくためになる問題で感心しました。

衝撃のオチ……

なぜ世界各国で変装して回ってまでベルモットはシェリーを助けようとしたのか。

てっきり、幼児化の可能性がバレることでコナン=新一だということを組織に気付かれないようにするためだと思っていたのですが……。

エンディング後のオチ、今回一番の衝撃でした……。そこに繋がるのかぁ…。

来年は平次 vs キッド回かな ??

予告の感じから、来年は服部平次と怪盗キッドが登場するみたいです。

キッド回は正直、私の中では『世紀末の魔術師』を超える作品が未だなく……。
何か盗んだりコナンたちを翻弄したりするけれど、実はそれは誰かを助けるためetcで、最終的にコナンと協力関係になって何かをやり遂げる !!
みたいな内容ばっかり、という印象です。

もっと、真正面からキッドと対決する話が見たいところ。

平次回はラブコメ要素が強くて面白いけれど、舞台が関西ばかりでこぢんまりとしがち……。

来年の劇場版は、これまでのイメージをぶち壊す作品を期待しています !!

おわりに

今年は推しのメイン回ということもあり、いつも以上に感情が荒ぶる鑑賞となりました。

もし黒ずくめの奴らを悪事を暴いて、アポトキシン4869の完全な解毒剤を作って元の体に戻れたら、コナンと哀ちゃん、少年探偵団の関係はどう変わるんだろう ??

終演後、ふとそんなことを考えました。

元の体に戻っても、哀ちゃんは博士の家で生活し続けて、たまにみんなで集まって遊びに行ったりして欲しい。子供の頃の10歳差は小学生と高校生ですごく離れて感じるけど、大人になってからの10歳差なんて、たいしたことないから !! (ないか ?? )

無事に元の姿に戻ってほしいような、いつまでもこのままでいてほしいような、そんな複雑な気持ちです。

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