2020年8月8日、『アクタージュ』原作担当のマツキタツヤ氏が痴漢容疑で逮捕されたと報道された。
逮捕時の報道から引用。
逮捕容疑は、6月18日午後8時ごろ、中野区内の路上を歩いていた女子中学生の胸を、自転車で追い抜きざまに触った疑い。
同署によると、この約1時間後にも近くで別の女子中学生が同様の被害に遭っており、関連を調べている。
出典:自称ジャンプ漫画原作の男逮捕 女子中学生にわいせつ容疑―警視庁:時事ドットコム
この事件を受け、8月10日、ジャンプ編集部は『アクタージュ』連載打ち切りを発表した。
『アクタージュ act-age』連載終了に関するお知らせhttps://t.co/hCsKndrH2r pic.twitter.com/qZeSFhCUGy
— 少年ジャンプ編集部 (@jumphenshubu) August 10, 2020
連載終了の悲しみ
逮捕の報道が流れたときは、「 “自称”だし全くの別人かもしれない……!! 」とほんのわずかに希望を抱いたものの、数時間経ってもジャンプ編集部から人違いですと知らせがなかったので、あぁ…本人なんだな……と途方に暮れてしまった。
容疑がどう考えても悪質なので、このまま連載続けるのは無理かな……と覚悟はしていたけれど、いざ打ち切りが発表されると…‥。
こんな終わり方ってないよ…‥。
大河でまた一つ成長する夜凪がもう見られないなんて……
真美さんをギャフンと言わせる皐月ちゃんの芝居が見られないなんて……
おばあちゃんになっても役者してる夜凪と千世子が見たかった……
見るからに成長してそうなアキラがどんな芝居をするようになったのか見たかったし、
天球を引っ張っていく阿良也も見たかった……
黒山監督が撮りたかった映画って一体どんなのだったの……??
今後一生それらが語られることないと思うと、残念で仕方ない……
作画担当と被害に遭われた方のケアをどうか……
『アクタージュ』は、ストーリーを作るマツキ氏と絵を描く宇佐崎しろ先生の2名で作られている作品だった。
一緒に作品を作っている相方の失態で作品と仕事を奪われてしまった宇佐崎先生の無念を思うと、言葉が出ない……。
ジャンプ読者や『アクタージュ』を知っている人は、原作担当と作画担当が別の人ってわかっているかもしれないけれど、世間一般的には漫画のイメージ=絵のイメージだと思う。
今後、宇佐崎先生が他の作品で連載を始めたとして、事情を正しく認識していない人から不当な評価を受けることがないか心配……。
ネットで一連の話題を見ると、連載終了を残念に思う声が溢れていて、被害に遭われた女子中学生の心境が心配でもある。
中学生なら、周りに『アクタージュ』の読者だった子もいるかもしれない。
負い目に感じたり、不当な扱いを受けていないといいけれど…‥。
原作者にはただただ怒りしかない !!
作品の連載が終わっても、キャラクターたちの世界はずっと続いていく……という考え方もある。
先日『ハイキュー!!』が最終回を迎えたときは、そのように感じた。
けれど、作者の意図しないタイミングでの強制終了は、私は作品の世界を奪われたように感じてしまう。
自らが生み出したキャラクターたちの世界を自らの欲望のために終わりにしたマツキ氏には、筆舌に尽くしがたいほどの怒りを覚える。
女性としての目線で考えても、マツキ氏のしたことは本当に許しがたい。
性被害は、忘れたくてもいつまでも記憶に残ってしまう。
怖くて同じ道を歩けなくなったり外に出られなくなったり、異性に恐怖心を抱くようになってしまうことだってある。
ましてや、女子高生が主人公の作品を描いているというのに。
作品の評価と作者の人間性は関係ないと常々思っていたけれど、マツキ氏のことは今後もし戻ってきて何かの作品に関わることがあったとしても、もう作品に対して正当な評価を下せる自信がない。
連載したくてもできない作家、ずっと続いて欲しくても人気が取れなくて終わってしまう作品だってあるというのに、これまで一緒に作品を作ってきた宇佐崎先生やジャンプ編集部、作品を応援してきた読者を裏切り、『アクタージュ』の世界に泥を塗ったマツキタツヤに、今はただただ怒りしかない。