コミックスの装丁が好みで、本屋で一目惚れして購入しました。
最近は電子版をメインに買っているけど、ハルタの作品は紙で買いたくなるコミックスが多くて困ります。
感想【ネタバレ注意】
読み始めて最初に思ったこと。
おねショタかと思いきやショタおねだった… ??
獣たちが人型になる(?)世界観で、口の減らない龍の子と、ちょっと知能低そうな虎のお姉さんの掛け合いと、両者の何とも言えない距離感が絶妙です。
虎のお姉さんの脳筋っぽさが可愛い。
反論できなくてとりあえず噛みついちゃうとことか。
龍と虎は寿命が違い、一見子供に見える龍の少年の方が実は虎のお姉さんより年上なのかもしれない、と思うと、カップリング要素的には萌えますね。(いわゆる合法ショタというやつ ?? )
そして、絵がめちゃくちゃ上手いです。
体の大きさ以外に、ヒゲの長さとかでも若い龍なんだなとわかるのが上手だな〜と思いました。
私が気付いたこと以外にもまだまだ細かいこだわりがありそうです。
私も虎にもふもふされながら寝てみたい。
1巻では、龍の少年と虎のお姉さん、虎のお兄さんと大蛇のお姉さんが出てきたけれど、これからもっと生き物たちが出てくるのでしょうか。
(すべての動物が人型化できるわけではない ?? )
タイトルの「虎は龍をまだ喰べない。」は、虎と龍の関係性を見た作中の誰かの言葉なのかもしれません。
獲物横取りしようとしていきなり襲いかかってきた虎のお兄さん、名前を聞くより先に交尾のお誘いしちゃうところが、「獣」って感じがして、人の姿で喋ってるのに不思議な感覚。
そもそも名前をつけるという習慣がないところも、社会性を重んじる人間とは異なる生き物なんだな〜って感じます。
でも、名前という概念自体は動物界にもある様子。
自分の子供を大切に育てる動物とかは、個体に名前をつけたりするのでしょうか。
大蛇は龍の少年に「碧童」と名付けて育てていました。
愛情からではないようなことを言っていたけれど、本当にそうなのでしょうか。
言動からも表情からもなかなか本心が読み取れず。
碧童くん、行動や言動から、生々しい食物連鎖の中に生きているのがわかります。
その中でも、大蛇の元から逃げてきていたり、生き延びたい(喰べられたくない ?? 死にたくない ?? )と思っているようにも見えました。
虎のお姉さんと同じように、碧童くん、何を考えてるのかわかならいときあるな……と思っていたところに、大蛇さんがしっぽのことを教えてくれて、読み終わったあと最初から読み直しちゃいまいた。
生意気言ってツンツンしてるのに、これからしっぽで気持ちバレバレになっちゃうかと思うと、可愛くてしょうがない。
意地を張りながらも他の生き物の温もりや愛に飢えているのかもしれないな、と思います。
虎のお姉さんは、碧童くんを育てて喰べるために一緒にいるようになったのだろうけど、他の生き物に愛情を感じることはあるのでしょうか。
碧童に対して愛情が芽生えているようにも見えるけれど、脳筋と称されるちょっと知能が足りていない部分のせいで、ただ喰べることしか考えていないようにも見えます。
全体的にセリフが少ない分、絵からいろいろ想像しながら読むのが楽しいです。
巻末のおまけ漫画にあるように、これが普通の人間だったら間違いなくラブコメ漫画なのに、世界観や設定によって何とも不思議な関係になっていて、それが心地良いと感じます。
龍が絶滅した経緯は、いかにもありそうな理由で……。
次巻も期待。