『劇場版 呪術廻戦0』感想|ごちそうさまでした【ネタバレあり】

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2021年12月24日公開、『劇場版 呪術廻戦0』鑑賞して来ました。

あらすじ

幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。

「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」

怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、

最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。

そして、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。

「生きてていいって自信が欲しいんだ」

「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」

一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。

「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」

呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――

果たして、乙骨は夏油を止められるのか、

そして、里香の解呪の行方は‥‥。

出典:『劇場版 呪術廻戦 0』公式サイト

呪術廻戦本編との関係

今作は、虎杖悠二が主人公の原作やアニメ『呪術廻戦』(以降、本編と呼称)の前日譚という位置付けになり、虎杖たちの先輩・現2年生たちが1年生の頃の出来事です。

主人公は乙骨憂太。

元は週間少年ジャンプで本編の連載が始まる前、ジャンプGIGAで『東京都立呪術高等専門学校』として短期連載していた作品です。

原作コミックスは『呪術廻戦0巻 東京都立呪術高等専門学校』として、本編原作3巻と同時に発売されました。

その成り立ちゆえ、今作のみで独立した作品として読むこともできますが、本編の正式な前日譚とされているので本編との繋がりも深いです。

特に原作コミックス8〜9巻を読んでから今作を観ると、感慨もひとしお。

感想 ※ネタバレ注意

私が、原作の内容を知っている劇場版に主に求めているのが、

  • 戦闘シーンの動き
  • 声優さんの声がついたキャラクターのセリフ

の2つなのですが、今作はどちらも満足いくものになっていました。

元が短期連載なだけに、映画の尺に収まる長さで綺麗にまとまっていて、内容も事前知識がなくても楽しめると思います。

反面、劇場作品としてはもう少しクライマックスに盛り上がりが欲しかったな〜という気も……。

あと、五条悟の唇の作画に命懸けてる感じがすごい(笑)
真面目な話をしていてもついつい唇に目が行ってしまいます……。

「0」と「愛と呪いの物語」、2つのダブルミーニング

今作のタイトル『劇場版 呪術廻戦0』、ティザービジュアルにも記載されたキャッチコピーの「愛と呪いの物語」、これらはそれぞれダブルミーニングになっているのではないかと感じました。

まず、「愛と呪いの物語」。

主人公・乙骨と、里香ちゃんの関係。
これは言わずもがなでしょう。

もう1つ込められていたのが、五条と夏油の関係。

高専時代の友人から、敵として相対することになり、最後に五条が夏油にとどめを刺すことになりました。

原作でセリフが隠されていた五条の最期の言葉は、劇場版でも口パクに。

1回の鑑賞では何て発したのか読み取れませんでしたが、五条の言葉を受けた夏油のセリフが「最期くらい呪いの言葉を吐けよ」だったことから察するに、呪いの言葉とは反対の、友愛の気持ちのこもった言葉だったのではないかと想像しました。

この辺りは原作8〜9巻を読んでいないとピンとこないかもしれません。
公開時点ではまだアニメ化されていない部分なので、アニメ派の人は是非その部分がアニメ化されたら、それを観てからもう一度今作を観てほしいです。

もう1つのダブルミーニングが、「0」。

1つは文字通り、本編の前日譚という意味の「0」。
原作コミックスも0巻だし、それ以上の意味があると全く考えていませんでしたが…‥。

どうやら、今作の重要アイテムである、乙骨と里香ちゃんを繋ぐ指輪モチーフとしての意味も込められていたようです…… !!

ラストシーンにアップで映された乙骨の指輪から、エンディングのタイトルロゴへ遷移する演出で気付きました…‥。

これの仕掛けはずるい !!

神がかり的な戦闘シーンの作画

戦闘モノの劇場版の感想で毎回言っている気がしますが、戦闘シーンの迫力がとにかくすごいです‥‥。

呪術廻戦はアニメの作画も良くて迫力があったけれど、劇場版は「さすが映画 !! 」と言わざるを得ない力の入れようを感じます。

肉弾戦が多くて、実際に武術の達人ならできるんじゃないか ?? (自分は無理だけど)って思うようなリアルな動きだけど、その動きが速すぎて、一般人とのレベルの違いをリアルに想像できる感じ。

特に乙骨vs夏油は、一瞬でもまばたきするのがもったいないくらいの攻防でした。

ナナミンや京都組の活躍シーンもちょっとずつ入っていて、サービス精神旺盛です。
東堂の東堂っぷりも健在。

冥冥のお顔がどう見ても悪役側だったことがとても印象に残っています……(笑)

乙骨と1年生トリオ

本編では虎杖たち1年生のサポートのような役回りである2年生組にスポットが当たっているところも、注目のポイントです。
個人的にはしゃけ先輩が好きなもので……。

乙骨が転入してきて関係がギクシャクしている状態から、任務を通して真希・棘との関係が深まるエピソードが入っていたので、終盤同級生が夏油にやられたときの乙骨の怒りに説得力がありました。

パンダだけ特段エピソードがなかったのは残念……。

乙骨の声については、ベテラン声優さんゆえの弊害というか、最初に聴いたときは「シ○ジじゃん」と思っちゃいました……。

でも、作品が終わる頃には、もう乙骨の声はこの声以外考えられないってくらい乙骨憂太になっていたんですよね。

名台詞「純愛だよ」に込められた感情の深さに鳥肌が立ちました。

声優さんってすごい。

おわりに

連載開始前の作品が劇場版になると聞いたときは、いくら読者人気が高いとはいえ本編を差し置いて…… ??
と、少し驚きもありましたが、鑑賞してみると大満足の出来でした。

クリスマスイヴに純愛っぷりを見せつけられて、お腹いっぱいです(笑)

ごちそうさまでした !!

 

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