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8月19日発売の少年ジャンプにて、『最後の西遊記』が終了・・・。
ずっと掲載順はドベ争いだったけど、個人的には第1話を読んで面白いなとおもったので、アンケート出したりと密かに応援していました。
最後の数話はあからさまに畳みにかかっていたので、もう打ち切りかな・・・と思いつつ一縷の望みにかけていたけど、やっぱり終わってしまった。無念・・・。
お気に入りの連載が終わってしまうという何とも言えない喪失感を埋めるため、『最後の西遊記』を振り返る記事を書きました。
『最後の西遊記』の好きだったところ
絵が綺麗
第1話を読んだ第一印象が、絵うまいなー!でした。
ジャンプよりコロコロとかに載っていそうな絵柄で、好みは分かれそうではありますが。
『爆走兄弟レッツ&ゴー』で育った私には懐かしさも相まって好みにどんぴしゃり。
見開きのバトルシーンも迫力があったし、好みの絵でした。
妖怪実体化の設定
その世界観が『最後の西遊記』で一番好きだったところです、
人間の恐怖が実体化して妖怪になる、というのは漫画にはありがちな気がしますが、
『蒙』の設定がとても興味深いものでした。
人間は普段、目にみえないもの・ありえないことをないものとして認識しているため恐怖は『蒙』に閉じ込められている。
ありえないものが「そこにある」と認識することで蒙が開き、恐怖が妖怪として実体化する、と。
この設定には無限の可能性を感じていました。
何を恐怖に感じるかは人それぞれですから、いろいろな恐怖からいろいろな妖怪が登場できるじゃん!と。
体調不良の男性が「コレラにかかってますよ」と言われてコレラが妖怪として実体化しちゃったときは、これは絶対おもしろくなるぞ!!と思ったものです・・・。
龍之介の誠実さ
快活ではあるけど、主人公・龍之介は真面目で優しい少年でした。
亡き母親との野球観戦の思い出を胸に、いざ少年団に入って野球しようとしたら、父親がどこぞから女の子を連れてきて
「今日からおまえの妹だ!目が見えないし義手義足だからおまえが世話しろ!学校は行くな!」
と。
そんなひどい父親に対しても、「父ちゃんが悪い」と言いながら向き合っていたし、妹のことも妹として大切にしようと決意したり、友達想いな一面も見られ、
いい子だったな・・・。
少年漫画の主人公っぽくはなかったかもしれないけど、応援したくなる男の子でした。
盛り上がらなかった原因を考察
解説 > バトル
妖怪バトルがメインになるのかと思いきや、バトルシーンより世界観や設定の解説のようなシーンが多くなってしまっていたのが、一番の残念要素だったな、と。
私は複雑な世界観とか大好物だけど、正直サイとかケイとかのあたりの解説ってあまり印象に残っていない・・・。
各話ごとに妖怪出てきてそれを倒すのを話のメインに、徐々に新しいキャラが登場したり、謎が解き明かされる感じにすればよかったのにな、と思います。
西遊記っぽさが薄い
振り返ってみても、あまり「西遊記」っぽさは感じない・・・。
如意棒も、伸ばして折ってたくさんの人が所持してるというのは斬新な設定だと思ったけど、そのせいか龍之介には「バトル漫画における主人公っぽさ」がなかったように思います。
(そもそもバトル漫画と呼んでいいのか疑問・・・)
如意棒を伸ばしたり縮めたりだけではなくて自在に形を変えられるというのは、少しワクワクを感じたけれど、何せバトルシーンが少ないせいでワクワクが盛り上がらず。
父親の立ち位置が微妙
第1話ではいわゆる「毒親」のようなことを龍之介に対して行っていたけれど、実はそれには理由があって・・・。
という展開だったけれど、第1話の印象が悪すぎて、父親に共感も同情もできず。
単に私が好きになれなかっただけですが・・・。
序盤で唯一の大人キャラですが、主人公の良き理解者というわけでもなく、かといって悪役に振り切れてるわけでもなく、何とも曖昧な立ち位置でした。
ある意味、現実的ではありますが、もっとわかりやすいキャラクターがいても良かったんじゃないかと思いました。
最終回を読んで
ラストシーンで、コスプレ少女だったエステルちゃんがふるか先生と揃いの戦闘服を着ていたのは、感慨深いものがありました。
コスプレしている理由について、こんな作中で説明がありました。
如意棒で戦う人たちは蒙が開きっぱなしになっているから恐怖を感じたらすぐに妖怪を生み出してしまう。
なので、恐怖を抑える暗示として、自分が一番「強い」と信じる者の姿を自分に投影している。
※作中の説明を要約
と。
それってさ!
エステルちゃんにとっての最強は、アニメキャラのヒロインからふるか先生になったってことだよね!?
龍之介と父親で見られなかった親子の愛情とか師弟の絆を感じさせてくれる、良い2人でした。
ジャンプ+とかで、番外編としてラストシーンまでの出来事を描いてくれないかな・・・。
あと、ラストシーンにしげちゃんらしき姿が見られますけど、野球友達から一緒に戦う仲間になったんですね。
そのあたりの話もちゃんと読みたかったな・・・。
最後、龍之介のホームランで終わったのは、綺麗なラストだと思いました。
終わりに
お気に入りの連載作品の終了というのは、何回経験しても寂しいものです。
長年愛読した作品の完結だったら“ロス”と呼べるかもしれないけど、打ち切りの場合はただただ無念。
一番無念を感じているのは作者さんでしょうけど・・・。
連載を続けることがいかに大変なことなのか、作品の打ち切りのたびに感じます。
商業誌である以上、売り上げを見込める作品に枠を使いたいのは承知の上ですが、少し見切りをつけるのが早すぎるような・・・。
編集部は、一度期待して送り出した作品ならば、軌道修正をさせるとか、もう少し長い目で見るとか、もっと一緒に作品作りをして欲しいなと読者の1人として思いました。
とりあえず、ラストページに「次回から○◯先生の連載がスタート!」とか載せるのやめないか・・・。
野々上先生の次回作を楽しみにしています。
連載お疲れ様でした!
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